KPIとKGIの違いとは?徹底解説と設定方法の具体例

1 組織戦略・マネジメント

KPIとKGIについて詳しく解説します。これらの指標が経営目標達成にどう役立つか、その違いと設定方法を具体例を交えて説明します。効果的な目標管理のためのポイントも紹介します。

ビジネスの目標達成において、KPI(Key Performance Indicator)とKGI(Key Goal Indicator)は欠かせない指標です。しかし、それぞれの定義や役割、設定方法については十分に理解されていないことが多いです。本記事では、KPIとKGIの基礎知識から、それらの違い、設定方法、そして実際のビジネスでの活用事例について詳しく解説します。また、KSF(Key Success Factor)やOKR(Objectives and Key Results)など、関連する指標についても触れ、包括的な目標管理の方法を提供します。

KPIの基礎知識

KPIとは?

〜成果につながる「見える目標」をつくる〜

KPIとは何か?

KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)は、企業や部門の目標達成に向けた進捗を“見える化”するための数値指標です。たとえば「売上5,000万円達成」という目標があるとき、その達成状況を客観的に把握するためのチェックポイントがKPIです。

経営層にとっては、事業戦略の進捗を確認するレーダーであり、現場にとっては「日々の行動が成果につながっているかどうか」を確かめるコンパスのような存在です。

KPIは、組織全体が共通の方向を向いて行動するためのツールであり、次のような効果があります。

  • 戦略の実行を具体的な行動に落とし込める
  • 社員一人ひとりが「何を頑張ればいいか」を明確にできる
  • 成果を“運任せ”にせず、改善のPDCAが回るようになる

KPIの5つの役割

経営や人事の現場でKPIを活用するうえで、以下の役割を押さえておくことが大切です。

役割説明
1.進捗の可視化数値で進捗状況を見える化し、行動の“ズレ”を早期発見できる
2.パフォーマンス評価部門や個人の成果を客観的に把握し、公正な評価や適切な支援に活かせる
3.改善の促進数値が悪化した原因を探ることで、業務プロセスの見直し・改善が進む
4.戦略の調整KPIの変動から戦略の“ズレ”を察知し、方向性を見直すきっかけにできる
5.モチベーション向上目標数値が明確だからこそ、達成に向けて自発的な行動が促される

KPIの主な種類

組織の目的に応じて、KPIはさまざまな分野に設定されます。以下は代表的な4カテゴリです。

種類具体例活用目的
財務KPI売上高、利益率、実際に使える資金の増減(キャッシュフロー)など経営の健全性や収益性を評価
顧客KPI顧客満足度、リピート率、LTV(顧客1人あたりの累計購入金額)など顧客との関係強化、ブランド価値の測定
プロセスKPI納期遵守率、生産効率、クレーム件数など業務の品質・効率の見直しに活用
従業員KPI離職率、エンゲージメントスコアなど組織の健全性や人材育成の指標

経営者や人事がKPIを設定する際は、これらを組み合わせて「財務だけを追いすぎない、バランスの取れた指標設計」が重要です。

KPIの設定方法と実践ステップ

KPIをただ設定するだけでは意味がありません。成果につながるKPIを設計するには、以下のステップが基本です。

1.目標(KGI)を明確にする

例:「新規顧客数を前年比120%にする」

2.成功要因を洗い出す(KSFの明確化)

→「問い合わせ件数の増加」「営業の商談数」など

3.KPIとして設定する

例:「月の問い合わせ件数100件」「週3件の商談実施」

5.SMART原則に沿って数値化する

  • Specific(具体的)
  • Measurable(測定可能)
  • Achievable(達成可能)
  • Relevant(目標に関連)
  • Time-bound(期限付き)

6.組織全体で共有し、行動に落とし込む

7.定期的に振り返り、柔軟に見直す

実例:具体的なKPIの活用

営業部門

KPI月間商談件数、成約率、顧客獲得単価
活用成約率が低ければトークスクリプトを見直すなど改善策を講じる

人事部門

KPI内定辞退率、オンボーディング完了率、研修後評価スコア
活用離職防止や教育改善の施策判断に役立つ

カスタマーサポート部門

KPI応答速度、満足度スコア、1件あたり対応時間
活用品質向上・人員配置の最適化に活用可能

このように、KPIは「ただの数値」ではなく、組織の未来を左右する“行動の道しるべ”です。

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KGIの基礎知識

〜組織が向かう「最終ゴール」を明確にする〜

KGIとは?

KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とは、企業が最終的に達成すべきゴール(成果)を数値化したものです。簡単に言えば、「この目標を達成できれば、会社として成功といえる」と判断できる基準を示すものです。

KGIは、売上や利益、市場シェアの拡大など、企業が「将来こうありたい」と描く理想の姿(ビジョン)や中長期の経営戦略と直結した成果を表す指標です。ゴールが定まっていなければ、どんなに努力しても組織は迷走してしまいます。
KGIは、組織が目指すべき目的地を示す“北極星”のような存在であり、全員が同じ方向を向いて進むための指針となります。

たとえば、

  • 「年間売上10億円を達成」
  • 「市場シェアを3年以内に20%に拡大」
  • 「顧客満足度を90%以上に維持」

といった具体的な数値がKGIになります。

KGIは経営層だけのものではなく、組織全体が共有すべき最終目標です。現場の一人ひとりが「なぜこのKPIを追っているのか?」を理解するためには、KGIが明確である必要があります。


KGIの主な役割

役割説明
戦略の方向性を示す長期ビジョンを数値に落とし込み、組織が向かう方向を一本化する
成果の判断基準になる成功かどうかを明確に測れる「達成ライン」を定める
リソース配分の軸になる人材や予算などのリソースを、最も重要な目標達成のために集中できる
モチベーションを高めるゴールが明確になることで、現場の行動にも“意義”が生まれ、主体性が育つ
継続成長を支える達成後の振り返りや次なる目標設定のベースとなり、成長のサイクルを作り出せる

KGIの種類

KGIは企業の性質や成長段階に応じてさまざまな切り口で設定されます。

分類主な指標例目的
財務KGI年間売上、利益率、ROE、EBITDAなど経営の健全性や収益性を数値で把握するため
市場KGI市場シェア、ブランド認知、新規顧客数など市場での存在感・競争力の向上を目指す
成長KGI新製品数、研究開発費、特許取得数など中長期的な競争優位性を築く
顧客KGI顧客満足度、NPS、リピート率など顧客基盤の強化・ロイヤルティ向上
社会貢献KGICO2削減量、CSR活動実績、ESG評価などサステナビリティや企業価値向上

KGIの設定方法

KGIは「どこに向かうか」を定める羅針盤です。そのため、安易に決めるのではなく、ビジョンとの整合性や組織の実力を踏まえたうえで、慎重に設計する必要があります。

✅ 設定ステップ:

  1. ビジョン・ミッションの再確認
     企業として「何のために存在しているか」「どこを目指すか」を整理。
  2. 最終目標の明文化
     「これが達成できれば成功」と言えるゴールを具体的な数値で定義。
  3. 評価基準・期間の設定
     例:「売上10億円(2026年度末までに)」など、時期と基準を明確に。
  4. 組織内での共有と納得形成
     KGIが現場にとって他人事にならないよう、説明と対話を行う。
  5. 定期的な進捗確認と修正
     環境変化に応じて見直しも視野に入れ、柔軟に調整する。

KGIの具体例(活用イメージ)

企業の目的KGIの例
売上拡大年間売上10億円を達成
市場での存在感を高めたい国内市場シェア20%の獲得
技術力を強化したい年間で5件の新製品をリリース
利益体質を改善したい通年の営業利益率を15%以上にする
顧客との関係性を強化したい顧客満足度調査で90%以上の満足を獲得
社員の定着率を上げたい離職率を10%未満に維持
社会的評価を高めたいESG評価のスコアを前年比20%向上

KGIは、企業のビジョンと現場の行動をつなぐ「最終的なゴール」の指標です。
これを明確にすることで、企業は戦略をぶらさず、全社員が納得感を持って前に進むことができます。

次回は、このKGIとセットで活用される「KPI」との関係や、どちらを優先すべきかについて、深掘りしていきます。

KGIとは?

KGI(Key Goal Indicator)は、日本語で「重要目標達成指標」と訳され、企業が最終的に達成すべき目標を示す指標です。KGIは、長期的な視点で企業の成功を評価するために使用され、経営戦略の成果を直接測定します。KGIの役割は、企業が目指すべき方向性を明確に示し、組織全体が一体となって目標達成に向けて行動するための指針を提供することです。KGIは、企業のビジョンやミッションに基づいて設定され、その達成によって企業の成長や発展が確認されます。具体的な数値目標として設定されるKGIは、経営層だけでなく、全従業員が共有し、理解すべき重要な指標です。また、KGIは企業の長期的な戦略を具体化し、全員が共通の目標に向かって努力するためのガイドラインとなります。例えば、売上高、利益率、市場シェアなどがKGIとして設定されることが多く、これらの指標を達成することで企業の持続的な成長が期待されます。さらに、KGIは経営層が戦略的な意思決定を行う際の基盤となり、企業の進むべき方向を明確にするための重要なツールです。

KGIの役割

KGIは、企業のビジョンやミッションに基づいて設定される最終目標を示します。これにより、企業全体が共有する長期的な目標に向けて一体となって行動することが可能になります。KGIの主な役割は以下の通りです。

まず、戦略的方向性の明確化です。KGIは、企業の長期的な戦略を具体的な数値目標として示すため、全員が目指すべき方向を理解し、一貫性のある行動を取ることができます。これにより、企業全体が一致団結し、目標達成に向けた取り組みを強化します。

次に、成果の評価です。KGIは、企業の戦略的目標の達成度を測定するための指標であり、経営層はこれを用いて長期的な成功を評価します。例えば、設定されたKGIに基づき、経営層は定期的に進捗をレビューし、必要に応じて戦略を調整します。

また、リソースの最適配分です。KGIに基づいて、企業は資源を効果的に配分することができます。重要な目標達成のために、人材、資金、時間などのリソースを最適に配置することで、効率的な運営が可能となります。

さらに、組織のモチベーション向上です。KGIは、明確な目標を提供することで、従業員のモチベーションを高める効果があります。具体的な目標が設定されることで、従業員は自分の役割と貢献を理解し、積極的に取り組むようになります。

最後に、長期的な持続可能性の確保です。KGIは、企業の長期的な成長と持続可能性を確保するための指標であり、これにより企業は継続的に成功を収めることが可能となります。KGIの達成に向けた取り組みは、企業の競争力を高め、市場での地位を確立するために重要です。

KGIの種類

KGIにはさまざまな種類があります。以下に、主なKGIの種類を示します。

まず、財務KGIです。これは企業の財務状況を評価する指標で、売上高、利益率、ROE(自己資本利益率)などが含まれます。財務KGIは、企業の経済的な健全性や収益性を直接反映し、経営層が戦略的な意思決定を行う際の基盤となります。例えば、年間売上目標や純利益の増加目標などが財務KGIに該当します。

次に、市場KGIです。これは市場における企業の地位や競争力を評価する指標で、市場シェア、新規顧客獲得数、ブランド認知度などが含まれます。市場KGIは、企業が市場での競争力を強化し、成長を図るための重要な指標です。例えば、特定市場でのシェアを拡大する目標や、新規市場への参入計画などが市場KGIとして設定されます。

また、成長KGIです。これは企業の成長ポテンシャルを評価する指標で、新製品の開発件数、研究開発投資額、技術革新の数などが含まれます。成長KGIは、企業の将来的な発展を促進するための指標であり、持続的な競争優位性を確保するために重要です。例えば、年間に開発する新製品の数や、技術特許の取得数などが成長KGIに該当します。

さらに、顧客KGIです。これは顧客満足度、顧客ロイヤルティ、リピート率など、顧客に関連する指標です。顧客KGIは、顧客との関係性を強化し、顧客満足度を向上させるための重要な指標です。例えば、顧客満足度調査の結果や、NPS(ネット・プロモーター・スコア)などが顧客KGIに含まれます。

最後に、社会貢献KGIです。これは企業の社会的責任(CSR)や環境への配慮を評価する指標で、環境保護活動の成果、社会貢献度、持続可能性報告などが含まれます。社会貢献KGIは、企業の社会的責任を果たし、持続可能な経営を実現するために重要です。例えば、CO2排出量削減目標や、コミュニティ支援活動の成果などが社会貢献KGIに該当します。

KGIの設定方法

KGIの設定は、企業のビジョンやミッションを基に行われます。具体的な設定手順は以下の通りです。

まず、ビジョン・ミッションの明確化です。企業のビジョンやミッションを明確にし、それに基づいてKGIを設定します。例えば、「市場でのリーダーシップを確立する」や「持続可能な成長を追求する」などのビジョンやミッションが設定されます。

次に、最終目標の設定です。ビジョンやミッションを実現するための最終目標を具体的に設定します。例えば、「年間売上10億円達成」や「市場シェア20%達成」などの目標を設定し、それに基づくKGIを策定します。

次に、達成基準の設定です。KGIを達成するための具体的な基準を設定します。例えば、「四半期ごとの売上目標」や「新製品の市場投入数」などを基準として設定し、どのようにデータを収集し、評価するかを決定します。

さらに、KGIのコミュニケーションです。設定したKGIを組織全体に共有し、全員が理解し納得できるようにします。これにより、各部門や従業員が自身の役割と目標を認識し、協力して目標達成に向かうことができます。

最後に、定期的なレビューと調整です。設定したKGIを定期的にレビューし、必要に応じて調整します。市場環境の変化や業務プロセスの改善などに対応し、KGIを適宜見直すことで、常に最新の状況に対応できるようにします。これにより、目標達成に向けた取り組みを最適化できます。

このように、KGIの設定は企業の戦略的な意思決定を支えるために重要であり、明確で具体的な基準を設けることで、組織全体が一体となって目標に向かって進むことが可能となります。

KGIの例

以下に、いくつかの具体的なKGIの例を示します。

以下に、いくつかの具体的なKGIの例を示します。

まず、年間売上目標です。これは企業が1年間で達成すべき売上額を示す指標で、経営層が最も重視するKGIの一つです。例えば、「年間売上10億円達成」などが具体例として挙げられます。このKGIは、企業の成長と収益性を直接反映するため、非常に重要です。

次に、市場シェアです。これは特定の市場におけるシェアの増加率を示す指標です。例えば、「5年以内に市場シェアを20%にする」などの目標が設定されます。市場シェアの拡大は、企業の競争力を強化し、持続的な成長を促進するための重要な要素です。

また、新製品の開発件数です。これは一定期間内に開発された新製品の数を示す指標で、企業のイノベーション能力を評価するために使用されます。例えば、「年間に5つの新製品を市場投入する」などが具体例です。新製品の開発は、企業の競争力を維持し、成長を促進するために不可欠です。

さらに、利益率です。これは一定期間内の利益率を測定する指標で、企業の効率性と収益性を評価するために重要です。例えば、「年間利益率15%達成」などの目標が設定されます。利益率の向上は、コスト管理や効率的な運営の結果を示すため、経営層にとって重要なKGIです。

他にも、顧客満足度です。これは顧客からのフィードバックを基に評価される指標で、企業の製品やサービスの品質を示します。例えば、「顧客満足度90%以上を維持する」などの目標が設定されます。顧客満足度の向上は、リピーターの増加や口コミによる新規顧客の獲得につながり、企業の持続的な成長を支えます。

最後に、従業員のエンゲージメントです。これは従業員の仕事に対する満足度やモチベーションを評価する指標です。例えば、「従業員エンゲージメントスコアを80%以上にする」などが具体例として挙げられます。従業員のエンゲージメント向上は、離職率の低下や生産性の向上に直結し、組織全体のパフォーマンスを向上させます。

これらの具体的なKGIを設定し、定期的に評価することで、企業は長期的な目標達成に向けた戦略的な取り組みを進めることができます。

KPI・KGIはどちらを優先するべきか

KPIとKGIの違い

KPIとKGIはどちらも企業の目標達成において重要な役割を果たしますが、それぞれの役割や適用範囲には違いがあります。

KPI

日常業務のパフォーマンスを測定し、短期的な目標達成に焦点を当てます。具体的な数値目標を設定することで、進捗状況を明確に把握し、迅速な対応が可能です。

KGI

企業のビジョンやミッションに基づく長期的な目標を示し、戦略的な成果を測定します。KGIは企業全体が共有する方向性を示し、長期的な成功を目指します。

KPIを優先する場合

日常業務の効率化や短期的な業績改善が求められる場合、KPIを優先することが有効です。KPIは具体的な数値目標を設定することで、迅速な対応や改善が可能となります。以下に、KPIを優先する場合の具体例を示します。

新製品の販売促進

新製品の市場投入後、短期間での販売促進が必要な場合、KPIを設定して進捗を管理します。例えば、「発売後3ヶ月以内に5000台販売」など。

マーケティングキャンペーンの効果測定

特定のマーケティングキャンペーンの効果を短期間で測定し、効果的な施策を見極めるためにKPIを設定します。例えば、「キャンペーン期間中に新規顧客1000名獲得」など。

業務プロセスの改善

業務プロセスの効率化を図るために、具体的なKPIを設定して進捗を管理します。例えば、「生産ラインの稼働率を80%以上にする」など。

KGIを優先する場合

長期的な視点で企業の成功を目指す場合、KGIを優先することが有効です。KGIは企業のビジョンやミッションに基づいて設定されるため、組織全体が共有する長期的な目標に向けて一体となって行動することが可能になります。以下に、KGIを優先する場合の具体例を示します。

市場シェアの拡大

特定の市場でのシェアを長期的に拡大するためにKGIを設定します。例えば、「5年以内に市場シェアを20%にする」など。

新規事業の立ち上げ

新規事業の立ち上げとその成功を目指すためにKGIを設定します。例えば、「3年以内に新規事業で年間売上10億円を達成する」など。

グローバル展開の推進

企業のグローバル展開を目指すために、具体的なKGIを設定して進捗を管理します。例えば、「5年以内に海外売上比率を30%にする」など。

バランスの重要性

KPIとKGIのどちらを優先するかは企業の状況によりますが、両者のバランスを取ることが重要です。短期的な業績改善と長期的な成功を両立させるためには、KPIとKGIを組み合わせて戦略的に設定・運用することが求められます。以下に、バランスを取るための具体的な方法を示します。

KPIとKGIの整合性を保つ

KPIとKGIを設定する際には、両者が整合性を保つようにします。例えば、短期的なKPIが長期的なKGIの達成に貢献するように設計します。

段階的な目標設定

長期的なKGIを達成するために、段階的なKPIを設定します。例えば、「年間売上10億円達成」を目指す場合、各四半期ごとに具体的なKPIを設定します。

定期的なレビューと調整

KPIとKGIの進捗を定期的にレビューし、必要に応じて調整します。これにより、常に最新の状況に対応できるようになります。

KPI・KGIの設定方法

KPIの設定手順

KPIの設定は、企業の戦略や目標に基づいて行われます。具体的な設定手順は以下の通りです。

目標の明確化

企業の戦略目標を明確にする。例えば、「顧客満足度の向上」や「売上高の増加」など。

重要な業績指標の選定

戦略目標に直結する業績指標を選定する。これにより、目標達成のために重要な要素に焦点を当てることができます。

測定基準の設定

KPIを測定するための具体的な基準を設定する。例えば、「顧客アンケートの満足度スコア」や「月次売上高」など。

定期的なレビューと調整

設定したKPIを定期的にレビューし、必要に応じて調整する。これにより、常に最新の状況に対応できるようになります。

KGIの設定手順

KGIの設定は、企業のビジョンやミッションを基に行われます。具体的な設定手順は以下の通りです。

ビジョン・ミッションの明確化

企業のビジョンやミッションを明確にする。例えば、「市場でのリーダーシップを確立する」や「持続可能な成長を追求する」など。

最終目標の設定

ビジョン・ミッションに基づいて最終目標を設定する。例えば、「年間売上10億円達成」や「市場シェア20%達成」など。

達成基準の設定

KGIを達成するための具体的な基準を設定する。例えば、「四半期ごとの売上目標」や「新製品の市場投入数」など。

定期的なレビューと調整

設定したKGIを定期的にレビューし、必要に応じて調整する。これにより、長期的な目標達成に向けて柔軟に対応できます。

設定のポイント

KPIとKGIを設定する際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

具体性

KPIやKGIは具体的な数値目標として設定する。これにより、進捗状況を明確に把握できるようになります。

現実性

実現可能な目標を設定する。達成が難しすぎる目標はモチベーションの低下につながるため、現実的な範囲で設定します。

一貫性

企業の戦略やビジョンと一貫性のある目標を設定する。これにより、組織全体が共有する目標に向けて一体となって行動することができます。

柔軟性

企業の状況や市場環境の変化に対応できるよう、柔軟に目標を見直すことが重要です。

設定後に変更することはあるか

KPIの変更

KPIは短期的な目標であるため、状況に応じて頻繁に見直しや変更が行われることがあります。以下に、KPIを変更する具体的な理由を示します。

市場環境の変化

市場環境が変化した場合、KPIを見直す必要があります。例えば、新たな競合が登場した場合や顧客のニーズが変化した場合など。

業務プロセスの変更

業務プロセスが変更された場合、KPIを見直す必要があります。例えば、新しい技術の導入や業務フローの改善など。

目標達成状況の評価

設定したKPIが達成できない場合や、逆に容易に達成できる場合、KPIを見直す必要があります。

KGIの変更

KGIは長期的な目標であるため、頻繁に変更することは少ないですが、企業のビジョンやミッションの変更に伴い、KGIを見直すことがあります。以下に、KGIを変更する具体的な理由を示します。

ビジョン・ミッションの変更

企業のビジョンやミッションが変更された場合、KGIを見直す必要があります。例えば、新しい事業戦略の導入や組織の再編など。

市場環境の大きな変化

市場環境が大きく変化した場合、KGIを見直す必要があります。例えば、経済状況の変化や新たな規制の導入など。

長期的な戦略の見直し

長期的な戦略が見直された場合、KGIを見直す必要があります。例えば、新しい市場への進出や既存市場でのシェア拡大など。

変更のプロセス

KPIやKGIを変更する場合の具体的なプロセスは以下の通りです。

定期的なレビュー

設定したKPIやKGIを定期的にレビューし、必要に応じて調整します。これにより、常に最新の状況に対応できるようになります。

変更の決定

KPIやKGIの変更が必要と判断された場合、適切なプロセスを経て変更を決定します。例えば、経営会議での承認や関係者との協議など。

変更の実施

変更を実施し、新しいKPIやKGIを設定します。変更後の目標を関係者に周知し、適切に進捗を管理します。

「KSF」 「OKR」とは

KPIやKGIに関連する指標として、「KSF(Key Success Factor)」や「OKR(Objectives and Key Results)」があります。これらの指標も、企業の目標達成において重要な役割を果たします。以下に、それぞれの定義と役割について詳しく説明します。

KSF(Key Success Factor)

KSFは、日本語で「重要成功要因」と訳され、企業が成功するために必要な要因を示す指標です。KSFは、企業の戦略目標を達成するために重要な要素を特定し、その要素に焦点を当てて行動することを促します。以下に、KSFの具体的な役割を示します。

成功の要因の特定

KSFは、企業が成功するために必要な要因を特定します。これにより、重要な要素に焦点を当てて行動することが可能になります。

戦略の策定

KSFを基に、企業の戦略を策定します。例えば、顧客満足度の向上や市場シェアの拡大など。

リソースの配分

KSFに基づいて、企業のリソースを効果的に配分します。例えば、重点分野への投資や重要なプロジェクトの推進など。

KSFの例

以下に、いくつかの具体的なKSFの例を示します。

顧客満足度の向上

顧客満足度を高めるための施策を実施します。例えば、カスタマーサポートの強化や製品品質の向上など。

市場シェアの拡大

新規市場への進出や既存市場でのシェア拡大を目指します。例えば、新製品の市場投入やマーケティングキャンペーンの実施など。

製品品質の向上

製品の品質を向上させるためのプロセス改善を実施します。例えば、品質管理体制の強化や生産プロセスの見直しなど。

OKR(Objectives and Key Results)

OKRは、日本語で「目標と主要な成果」と訳され、企業の目標設定とその達成状況を評価するための指標です。OKRは、企業の目標を具体的な成果に結びつけることで、組織全体が一体となって目標に向かって行動することを促します。以下に、OKRの具体的な役割を示します。

目標の明確化

OKRは、企業の目標を具体的に示します。これにより、全員が同じ方向を目指して行動することが可能になります。

成果の評価

OKRを用いることで、目標達成のための具体的な成果を評価します。これにより、進捗状況を明確に把握することができます。

チームの連携

OKRは、チーム全体が一体となって目標に向かって行動することを促します。これにより、組織全体の連携が強化されます。

OKRの設定方法

OKRの設定は、以下の手順で行われます。

目標の設定

企業の戦略目標を明確にし、具体的な目標を設定します。例えば、「新規顧客の獲得数を増やす」など。

主要な成果の設定

目標を達成するための具体的な成果を設定します。例えば、「一定期間内に新規顧客を1000名獲得する」など。

定期的なレビューと調整

設定したOKRを定期的にレビューし、必要に応じて調整します。これにより、常に最新の状況に対応できるようになります。

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まとめ

KPIとKGIは、企業の目標達成において重要な指標です。それぞれの役割や設定方法を理解し、効果的に活用することで、企業のパフォーマンス向上と長期的な成功を目指すことができます。また、KSFやOKRなどの関連指標も活用することで、さらに効果的な目標管理が可能となります。定期的なレビューと調整を行い、企業の状況に応じた最適な目標設定を行うことが重要です。

KPIは日常業務の効率化や短期的な業績改善に役立ち、具体的な数値目標を設定することで、迅速な対応や改善が可能です。一方、KGIは企業のビジョンやミッションに基づいて設定される長期的な目標であり、組織全体が共有する方向性を示します。どちらを優先するかは企業の状況によりますが、KPIとKGIのバランスを取り、戦略的に設定・運用することが求められます。

KSFは企業が成功するために必要な要因を特定し、重要な要素に焦点を当てて行動を促します。具体的な成功要因を明確にすることで、戦略的なリソース配分が可能となります。また、OKRは目標と具体的な成果を結びつけることで、組織全体が一体となって目標達成に向かって行動することを促します。定期的なレビューと調整を行うことで、常に最新の状況に対応し、目標達成を目指すことができます。

これらの指標を効果的に活用するためには、企業の戦略や目標に基づいて具体的な数値目標を設定し、定期的なレビューと調整を行うことが重要です。常に最新の状況に対応しながら、企業のパフォーマンス向上と長期的な成功を目指して、KPI、KGI、KSF、OKRを活用しましょう。

監修者

髙𣘺秀幸
髙𣘺秀幸株式会社秀實社 代表取締役
2010年、株式会社秀實社を設立。創業時より組織人事コンサルティング事業を手掛け、クライアントの中には、コンサルティング支援を始めて3年後に米国のナスダック市場へ上場を果たした企業もある。2012年「未来の百年企業」を発足し、経済情報誌「未来企業通信」を監修。2013年「次代の日本を担う人財」の育成を目的として、次代人財養成塾One-Willを開講し、産経新聞社と共に3500名の塾生を指導する。現在は、全国の中堅、中小企業の経営課題の解決に従事しているが、課題要因は戦略人事の機能を持ち合わせていないことと判断し、人事部の機能を担うコンサルティングサービスの提供を強化している。「仕事の教科書(KADOKAWA)」他5冊を出版。コンサルティング支援先企業の内18社が、株式公開を果たす。

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