組織開発とは、企業が持続的に成長し、競争力を高めるための取り組みです。単なる制度改革ではなく、人材開発や組織文化の変革を通じて、従業員の主体性や生産性を向上させることを目的としています。
本コラムでは、組織開発の基本概念や注目される背景、成功事例を交えながら、フレームワークや具体的な手法を解説します。企業の成長を支える組織づくりのヒントをお届けします。
Contents
- 1 組織開発(Organization Development)とは
- 2 組織開発が注目されるようになった背景
- 3 組織開発のメリット・デメリット
- 4 基本的な流れ
- 5 組織開発のポイント
- 6 役立つ手法やフレームワーク
- 7 組織開発に成功した企業の事例
- 8 組織開発の本質と未来への展望
組織開発(Organization Development)とは

企業が生き残るための「組織の成長戦略」
昨今、多くの企業が「組織開発(Organization Development:OD)」に関心を寄せています。市場環境の変化が激しく、人材の流動性が高まる中で、「人材はいるが組織がうまく機能しない」「戦略はあるが実行できない」といった課題を抱える企業が増えているためです。
企業経営においては、戦略立案や人材確保だけではなく、組織全体が成長し続けるための仕組みが求められます。そのために必要なのが「組織開発」です。
では、組織開発とは具体的に何を指し、どのような目的で行われるのでしょうか。
組織開発の定義
「組織開発」とは、組織の課題を特定し、全体のパフォーマンスを向上させるために、意図的な介入を行う取り組みです。人材開発や組織変革と深く関連し、経営層や人事部門が主導して進められます。また、従業員のエンゲージメント(企業への愛着や貢献意欲)を高めながら、組織文化、コミュニケーション、リーダーシップ、チームワークなどを強化する活動も含まれます。
組織開発は、単なる業務改善や研修とは異なり、組織の風土や働き方の根本から変革を促す活動です。たとえば、従業員の意欲向上やリーダー育成、組織文化の見直しなど、「人」と「組織」の成長を支えることが目的になります。
組織開発の目的
企業が組織開発を進める目的は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
1.組織の適応力を高める
市場環境が激しく変化する中で、企業は状況に応じて組織の在り方を変えなければなりません。組織開発を通じて、変化に柔軟に適応できる体制を整えます。
2.従業員のエンゲージメントを向上させる
「働きがいのある職場」を作ることは、優秀な人材の定着にも直結します。組織開発では、従業員の意識改革や心理的安全性の確保を通じて、一人ひとりが自律的に行動できる組織を目指します。
3.組織のパフォーマンスを最大化する
組織の力を最大限に発揮するためには、単なる人材育成だけでなく、組織全体の仕組みを最適化することが求められます。組織開発では、コミュニケーションの円滑化、意思決定の流れの改善、チームワークの強化などを図り、全体の生産性を向上させます。
組織開発と従来の「組織改革」との違い
企業の成長のために組織を変革する取り組みは、これまでも数多く行われてきました。しかし、従来の「組織改革」と「組織開発」には以下のような違いがあります。
項目 | 組織改革 | 組織開発 |
---|---|---|
目的 | 業務手順の改善、組織構造の変更 | 組織の風土や働き方の変革 |
対象 | 組織の仕組みや制度 | 人と組織の関係性 |
手法 | 組織再編、人事制度変更、業務の流れ見直し | ワークショップ、対話、フィードバック文化を築く |
アプローチ | トップダウン型(経営層が主導し、組織全体に指示を伝える方法) | ボトムアップ型を重視(現場の意見を取り入れながら、組織の変革を進める方法を重視) |
トップダウン型は、経営層が決定した方針や施策を組織全体に指示し、速やかに実行する方法です。意思決定が早く、組織の方向性を明確に打ち出せるメリットがあります。
ボトムアップ型は、現場の従業員の意見やアイデアを積極的に取り入れながら、組織の変革を進める方法です。従業員の主体性を高め、組織全体の納得感を得やすい特徴があります。
組織改革は、組織の構造や制度に焦点を当てる一方で、組織開発は「人」と「組織」の関係を深め、企業文化を変革するアプローチを取ります。
組織開発は経営の重要戦略
組織開発は単なる「人事施策」ではなく、企業の成長戦略そのものです。経営戦略や人事制度の設計と密接に関連し、従業員の育成や組織文化の定着を通じて、企業全体の競争力を高めることが求められます。そのため、経営者や人事担当者は、従業員の成長を促し、組織文化を根づかせることで、持続的な競争力の向上を目指す必要があります。
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組織開発が注目されるようになった背景

企業経営における「人と組織」の重要性が高まる時代
なぜ今、組織開発が必要とされているのでしょうか?その背景には、経営環境の変化、働き方の多様化、人材の価値観の変化といったさまざまな要因があります。
1.経営環境の急激な変化(VUCA時代の到来)
現代のビジネス環境は「VUCA(ブーカ)」と呼ばれる変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)に満ちた時代です。
かつては、企業が安定的に成長するために「強固なルールと管理体制」を整えることが重視されていました。しかし、デジタル技術の進化やグローバル化の加速により、過去の成功モデルが通用しない時代になっています。
このような環境下では、変化に柔軟に適応できる組織を作ることが不可欠です。組織開発は、こうした変化に対応するための「適応力のある組織」へと進化させる役割を担っています。
2.人材の価値観の変化とエンゲージメントの重要性
従来の日本企業では、「終身雇用」や「年功序列」が一般的であり、社員は会社に長く勤めることが当たり前とされてきました。しかし、働く人々の価値観が多様化し、キャリア観が大きく変化しています。
具体的な変化
ジョブ型雇用の拡大
企業に依存せず、自分のスキルを活かして働きたいという人が増加
ミレニアル・Z世代の台頭
仕事に「意義」や「成長機会」を求める傾向が強い
リモートワークの普及
働く場所に縛られず、柔軟な働き方が求められる
このような変化の中で、企業は「社員のエンゲージメント」を高める必要に迫られています。組織開発は、従業員が主体的に働き、やりがいを持てる組織づくりを目指す取り組みであり、企業にとって欠かせないものとなっています。
3.組織の縦割り構造が生む「サイロ化」の問題
多くの企業で見られる課題のひとつに、部門間の壁が高まり、情報共有や協力が不足する「サイロ化」の問題があります。
たとえば、
営業部門と開発部門が連携できていない
→ 顧客のニーズが正しく商品開発に反映されない
経営層と現場社員の間にギャップがある
→ 上層部の戦略が浸透せず、現場のモチベーションが低下
このような状況では、組織全体のパフォーマンスが発揮されず、事業の成長が阻害されてしまいます。
組織開発では、「対話」や「協働」を促進し、組織の一体感を高める仕組みをつくることで、部門間の壁を取り払い、組織全体の生産性向上を目指します。
4.リーダーシップの変化:管理型から支援型へ
かつてのリーダーシップは、「トップダウン型」で指示を出し、組織を統制する管理型のスタイルが主流でした。しかし、現代ではこの方法が通用しづらくなっています。
なぜなら、現場の従業員が自発的に考え、行動することが求められる時代になっているからです。そのため、
「部下を管理する」
→「部下を支援し、成長を促す」リーダーシップへの転換
「上司がすべて決める」→「現場の声を反映し、共に組織を作る」スタイルへの移行
が重要になっています。
組織開発では、リーダーの在り方を見直し、現場の力を引き出す支援型リーダーシップを育成することも大きな目的のひとつです。
5.リモートワークの普及と新たな組織課題
新型コロナウイルスの影響により、リモートワークが急速に普及しました。これにより、企業の働き方は大きく変わりましたが、一方で以下のような課題が浮かび上がっています。
社員同士のコミュニケーションが不足し、チームの一体感が低下
マネジメントが難しくなり、部下のモチベーションや成長機会が減少
組織文化が希薄になり、企業への帰属意識が低下
これらの課題を解決するためには、オンラインでも効果的に組織をマネジメントし、エンゲージメントを高める仕組みづくりが必要です。組織開発は、こうした「リモート時代の組織のあり方」にも適用できる考え方として、多くの企業で導入が進められています。
組織開発は「これからの経営の必須戦略」
組織開発が注目される背景には、
経営環境の変化(VUCA時代)
働く人々の価値観の変化
組織のサイロ化(部門間の壁)の問題
リーダーシップの変革
リモートワーク時代の組織課題
といった現代の企業が直面する課題があります。
組織開発は、単なる人材育成ではなく、企業が持続的に成長し、競争力を高めるための戦略です。経営者や人事担当者にとって、組織開発の考え方を理解し、実践することは、今後の企業経営において不可欠となるでしょう。
組織開発のメリット・デメリット

企業の成長を加速させる組織開発、その利点と注意点とは?
組織開発には多くのメリットがある一方で、導入・運用にあたってはデメリットや課題も存在します。
経営者や人事担当者が組織開発を進める際には、メリットとデメリットの両方を理解し、適切に活用することが成果を上げるための重要な要素となります。
組織開発のメリット
1.従業員エンゲージメントの向上と生産性の向上
組織開発の最大のメリットの一つは、従業員のエンゲージメントが向上し、それが生産性向上につながることです。
- 対話を重視した組織開発の手法(ワークショップやフィードバック文化の定着)によって、社員が自ら考え、意見を発信しやすい環境を作ることができます。
- 自己成長の機会が増えることで、社員のモチベーションが高まり、仕事に対する満足度も向上します。
- 心理的安全性が高まるため、チーム内でのコミュニケーションが活発になり、意欲的に業務へ取り組む文化が育まれます。
- 社員が自律的に動く文化が根づくことで、業務効率が向上し、組織全体の生産性が高まります。
組織開発を進めることで、個人の能力向上と組織全体のパフォーマンス向上の両方を実現できるのです。さらに、組織開発と並行して人材開発を強化することで、社員一人ひとりのスキル向上が進み、組織の成長をより加速させることが可能です。
2.組織の適応力が向上し、変化に強くなる
現代はVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代と呼ばれ、企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化しています。
- 組織開発によって「変化に適応できる企業文化」を育てることで、柔軟な意思決定が可能になります。
- トップダウンではなく、ボトムアップの意思決定を取り入れることで、社員が自発的に問題を解決し、組織の成長スピードが加速します。
- 新しいビジネスモデルの導入やDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用して業務の流れや事業の形を大きく変えること)推進もスムーズに進み、企業の競争力が強化されます。
さらに、環境変化に対応できる組織をつくるためには、人材開発の視点も欠かせません。個々の社員が学び続け、成長する文化が根づくことで、組織全体の適応力が向上します。
3.部門間の連携が強化され、業務効率が向上
組織開発では、部門間の壁(サイロ化)をなくし、円滑なコミュニケーションを促すことが重要視されます。
- 部門間の連携が強化されることで、業務のムダや非効率な手順が削減され、全体の生産性が向上します。
- 情報共有が活発化するため、意思決定が迅速になり、経営層から現場まで一貫した戦略を実行しやすくなります。
- 「個の力」ではなく「チームの力」を最大限に活かせる環境が整い、より創造的なアイデアが生まれる組織へと進化します。
4.多様性の推進(ダイバーシティ&インクルージョン)
現代の企業において、多様性の推進(ダイバーシティ&インクルージョン)が重要視されています。組織開発は、異なる価値観や背景を持つ従業員が活躍できる環境を整える役割を果たします。
- 異なる視点やアイデアを受け入れやすい組織文化が育つため、新しいビジネスチャンスが生まれやすくなる。
- ジェンダー、国籍、年齢を問わず、誰もが活躍できる職場環境を整えることで、優秀な人材の確保につながる。
- 組織内のコミュニケーションが活発化し、多様な働き方が受け入れられることで、より強固な組織が構築される。
多様性の推進は、新しいアイデアや画期的な商品・サービスが生まれることにつながり、グローバル市場での競争力強化にも寄与するため、組織開発の大きなメリットと言えます。
5.リーダーシップの向上と次世代リーダーの育成
組織開発を導入することで、管理職やリーダー層の成長にも大きな影響を与えます。
- 「支援型リーダーシップ」(部下を管理するのではなく、成長を支援するスタイル)が定着し、メンバーの能力を最大限に引き出すことが可能になります。
- リーダーが現場の声をしっかり聞く姿勢を持つことで、部下との信頼関係が強まり、チームのパフォーマンスが向上します。
- 次世代のリーダーを育成する仕組みが強化されるため、将来的な組織の持続的成長につながります。
人材開発と組み合わせることで、リーダーが必要なスキルやマインドセットを効果的に習得し、次世代のリーダーシップが強化されます。
組織開発のデメリット(導入時の課題)
1.効果がすぐに現れにくい
組織開発は、一度実施しただけでは成果が出るものではなく、継続的な取り組みが必要です。
- 組織文化の変革には時間がかかるため、「即効性がない」と感じる経営者も少なくありません。
- 企業の規模や現状によっては、組織開発の効果を測定しにくいケースもあるため、KPI(重要業績評価指標)を明確にすることが重要です。
2.社員の抵抗感や反発が生じる可能性がある
組織開発を進める際には、社員の意識改革も求められます。
- 「これまでのやり方を変えたくない」という抵抗感が生まれる可能性がある。
- トップ層が強く推進しないと、形骸化してしまうこともある。
- 「現場の負担が増える」と感じる社員が出ることもあるため、導入時にはしっかりとした説明とサポートが必要。
3.一貫性のない導入では成果が出にくい
組織開発は、企業全体で取り組むべきプロジェクトですが、途中で方向性がぶれると、効果が薄れてしまいます。
- 一部の部署やリーダーだけが実施すると、組織全体への浸透が難しくなる。
- 短期間で効果を求めてしまうと、途中で中途半端に終わる可能性がある。
- 経営層が本気で関与しないと、組織全体に定着しづらい。
そのため、経営陣が明確なビジョンを持ち、一貫して取り組み続けることが不可欠です。さらに、組織開発と人材開発を連携させることで、社員の成長を長期的に支援し、組織の変革と結びつけながら持続的な成果を生み出せます。
組織開発は「長期的視点」で取り組むべき戦略
組織開発は、企業の競争力を強化し、持続的な成長を実現するための重要な取り組みです。適切に設計・運用すれば、組織開発は企業の成長を加速させる強力な武器になります。
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基本的な流れ

企業の成長を支える組織開発、その進め方とは?
組織開発(Organization Development:OD)は、企業が持続的に成長し、競争力を高めるために不可欠な取り組みです。しかし、「組織開発を進めたいが、具体的にどう進めるべきかわからない」という経営者や人事担当者も多いのではないでしょうか?
組織開発は、単なる施策の導入ではなく、長期的な視点で組織の課題を見極め、変革を進めていく仕組みです。
以下では、組織開発を効果的に進めるための基本的な流れを解説します。
組織開発の基本的な流れ
組織開発のプロセスは、一般的に以下の6つのステップで進められます。
1.組織の現状分析(課題の特定)
2.目標の設定(組織のあるべき姿の明確化)
3.施策の設計(具体的な改善策の検討)4.施策の試験導入(パイロット運用)
5.施策の本格導入と変革の推進
6.効果測定と継続的な改善
1.組織の現状分析(課題の特定)
組織開発の第一歩は、現状を正しく把握し、課題を特定することです。
データ分析や現場の声を収集することで、組織の実態を客観的に認識し、どの部分に課題があるのかを明確にすることが重要です。調査結果やヒアリング内容を資料として整理し、経営層や関係者と共有することで、的確な意思決定につながります
データ分析
従業員満足度調査(ES調査)、離職率、業務効率などを数値化
現場の声の収集
360度評価や1on1ミーティングを活用し、社員のリアルな意見を把握
組織文化や心理的安全性の診断
ポイント
課題の分析では、単なる数値データだけでなく、従業員のリアルな声(定性情報)も重要です。「業務の負担が大きい」「社内の意思決定が遅い」など、日々の業務で感じる課題をヒアリングすることで、本質的な問題が見えてきます。
2.目標の設定(組織のあるべき姿の明確化)
課題を特定したら、次に「どのような組織を目指すのか」を明確にします。
- 組織のビジョン・ミッションを再定義する
- 現状の課題を解決するための方向性を決める
- 具体的な目標(KPI)を設定する(例:エンゲージメントスコアの向上、離職率の低下)
ポイント
目標設定は経営層だけでなく、現場社員も巻き込むことが重要です。上層部が決めた目標を一方的に押し付けるのではなく、社員の意見を取り入れながら「共感できる目標」を設定することで、組織全体が主体的に変革に取り組みやすくなります。
3.施策の設計(具体的な改善策の検討)
目標が明確になったら、次は実際にどのような施策を打つのかを決定します。
- 組織文化の変革(例:フィードバック文化を根づかせる)
- リーダーシップ強化(例:管理職向けの1on1トレーニング)
- チームビルディングの強化(例:ワークショップの実施、心理的安全性の向上)
- 評価制度・報酬制度の見直し(例:成果と行動過程を適切に評価する仕組みづくり)
ポイント
施策を設計する際は、現場の負担を考慮することが重要です。「制度だけ作っても、現場が実践できない」では意味がありません。シンプルかつ実行しやすい仕組みを考えることが成果を左右する要素となります。
4.施策の試験導入(パイロット運用)
いきなり全社導入するのではなく、試験的に運用し、効果や課題を確認します。
- 施策の目的を社内に周知し、社員の理解を得る
- 一部の部署やチームで試験運用を実施
- 現場のフィードバックを収集し、修正点を洗い出す
ポイント
小規模で実施し、実際の運用課題を把握してから本格導入することで、スムーズな定着につながります。
5.施策の本格導入と変革の推進
試験運用でのフィードバックを踏まえ、施策を全社的に導入します。
- 必要に応じて施策を調整し、最適な形で導入
- 社員の不安や抵抗感を軽減するためのサポート体制を整備
- マネージャーやリーダー層の積極的な関与を促進
ポイント
組織開発は、経営層だけでなく、社員一人ひとりの協力が不可欠です。変革の意義を伝え、社内の巻き込みを強化することで、スムーズな導入が可能になります。
6.効果測定と継続的な改善
組織開発は一度で終わるものではなく、PDCA(Plan=計画、Do=実行、Check=評価、Act=改善)のサイクルを回しながら継続的に改善することが重要です。
- 定期的な効果測定(KPI分析、エンゲージメント調査、離職率確認)
- 経営層・管理職・現場社員とのフィードバックの共有
- 新たな課題があれば施策を柔軟に修正・最適化
ポイント
「施策を導入して終わり」ではなく、成果を測定し、必要に応じて修正することが組織開発の成功につながります。データだけでなく、現場の声を拾いながら改善を重ねることが大切です。
組織開発は「計画的な変革プロセス」
組織開発は、企業が持続的に成長するために必要不可欠な取り組みです。
組織開発を成功させるには、経営層の関与、現場の巻き込み、継続的な改善が不可欠です。
組織開発のポイント

組織を変革し、持続的な成長を実現するための重要な視点とは?
組織開発は一度実施すれば終わるものではなく、長期的な視点で継続的に進めていくことが求められます。
では、組織開発を成功させるためには、どのようなポイントを押さえるべきでしょうか?
ここでは、経営者や人事担当者が実践すべき組織開発の重要なポイントを解説します。
1.経営層のリーダーシップと関与が不可欠
組織開発を成功させるためには、経営層が組織変革に積極的に関与することが重要です。経営者向けのセミナーや研修を活用し、最新の組織開発の知見を学ぶことも有効です。
- 経営層が組織開発の目的を明確にし、社内に発信する
- 現場と対話を重ね、組織の課題を共有する
- トップダウン型ではなく、現場の声を取り入れながら変革を進める
ポイント
経営層がリーダーシップを発揮し、組織開発の意義を社内に伝えることで、社員の理解と協力を得やすくなります。
2.組織文化の変革を意識する
組織開発は、制度や仕組みの変更だけではなく、組織文化の変革が不可欠です。
- 心理的安全性を確保し、社員が意見を言いやすい環境を整える
- フィードバック文化を根づかせ、建設的な対話を促進する
- 「失敗を許容する文化」を作り、新しい挑戦を後押しする
ポイント
特に、社員同士の信頼関係が強い組織は、変革に適応しやすく、持続的な成長を実現できます。そのためには、単なる制度変更だけでなく、組織の価値観や風土の見直しも並行して行う必要があります。
3.現場の巻き込みと主体性を引き出す
組織開発は、経営層だけでなく、現場の社員が主体的に関わることで、より効果的に進めることができます。
- 現場の課題を把握し、従業員の意見を反映した施策を設計する
- ボトムアップ型のアプローチを取り入れ、社員の自主性を尊重する
- 「組織開発の目的」を社員と共有し、納得感のある形で進める
ポイント
社員が受け身の状態では、組織開発の効果は半減してしまいます。従業員向けのセミナーを開催し、組織開発の意義や目的を理解してもらうことで、主体的に取り組む姿勢を育てることができます。「自分たちの組織をより良くする」という意識を持ってもらうために、社員が主体的に参加できる仕組みを作ることが重要です。
4.PDCAサイクルを回しながら改善を続ける
組織開発は、一度の取り組みで完了するものではなく、継続的に改善しながら進めることが重要です。
- PDCA(Plan=計画、Do=実行、Check=評価、Act=改善)のサイクルを意識する
- 定期的に組織の状況を振り返り、必要に応じて施策を見直す
- データを活用し、組織開発の効果を可視化する
ポイント
組織開発の取り組みが定着しない原因の一つは、「施策を導入した後の継続的な支援や見直しが不十分であること」です。PDCAを回しながら、効果測定を行い、改善を重ねることで、組織全体の成長につなげることができます。
5.組織の多様性(ダイバーシティ)を活かす
現代の企業において、多様性(ダイバーシティ)を推進することは、組織の競争力を高める大きな要因となります。
- 異なる価値観を持つ社員が活躍できる環境を整える
- ジェンダーや年齢、国籍を問わず、誰もが能力を発揮できる仕組みを作る
- 多様な意見を尊重し、組織の新しい発想や革新を促進する
ポイント
多様な人材が活躍できる組織は、新しいアイデアが生まれやすく、変化に強い企業文化を育むことができます。組織開発を進める上で、ダイバーシティ&インクルージョンの視点を取り入れることも重要です。
6.組織開発の成果を可視化し、評価する
組織開発は目に見えにくい部分も多いため、定期的に効果を測定し、可視化することが重要です。
- KPI(重要業績評価指標)を設定し、組織開発の進捗を管理する
- 従業員エンゲージメント調査を実施し、組織の状態を数値で把握する
- フィードバックを活用し、現場のリアルな声を分析する
ポイント
組織開発の成果を測定することで、取り組みの方向性が正しいかどうかを確認し、改善に活かすことができます。数値データと現場の声の両方をバランスよく活用することが大切です。
組織開発を成功させる6つのポイント
組織開発を成功させるためには、以下の6つのポイントを押さえることが重要です。
1.経営層のリーダーシップと関与
2.組織文化の変革
3.現場の巻き込みと主体性の引き出し
4.PDCAサイクルを活用した継続的な改善
5.多様性(ダイバーシティ)の推進
6.組織開発の成果の可視化と評価
組織開発は、単なる施策の導入ではなく、企業の成長戦略そのものです。
役立つ手法やフレームワーク

成功の鍵となる7つのアプローチ
組織開発を進める際には、効果的な手法やフレームワークを活用することが不可欠です。本記事では、経営者や人事担当者が実践できる7つのフレームワークを紹介し、それぞれの特徴や活用方法を解説します。
1.ミッション・ビジョン・バリュー(MVV):組織の方向性を明確にする
「ミッション(Mission)」「ビジョン(Vision)」「バリュー(Value)」は、組織の存在意義や目指す姿、価値観を明確にするフレームワークです。組織の一体感を高め、意思決定の指針として活用されます。
構成要素
ミッション(Mission):組織の存在意義
例:「私たちは、持続可能な社会を実現するために革新的なエネルギーソリューションを提供します。」
ビジョン(Vision):将来の理想像
例:「2030年までに、再生可能エネルギーの利用率を50%に引き上げる。」
バリュー(Value):組織が大切にする価値観
例:「誠実」「挑戦」「顧客志向」
活用方法
- MVVを策定し、社内浸透を図る(ポスター掲示、朝礼での共有など)
- 人事評価や採用基準に組み込む
- 経営判断の際に、MVVに沿った意思決定を行う
MVVが組織内で共有されることで、従業員のエンゲージメント向上や、一貫性のある組織文化が根付いていきます。
2.OKR(Objectives and Key Results):目標達成を支援するフレームワーク
OKRは、目標(Objective)と主要な成果(Key Results)を明確にし、組織やチームのパフォーマンスを向上させるためのフレームワークです。GoogleやLinkedInなどの企業が採用しており、組織開発においても有効です。
構成要素
Objective(目的):何を達成するのか
例:「顧客満足度を向上させる」
Key Results(主要成果指標):目的を達成するための測定可能な指標
例:「NPS(ネット・プロモーター・スコア)を50以上にする」
➡ NPS(ネット・プロモーター・スコア)とは、顧客が企業や製品・サービスをどれだけ他者に推薦したいかを測る指標で、顧客の愛着や信頼の度合いを数値化するものです。スコアが高いほど、顧客満足度やブランドへの信頼が高いとされます。
「カスタマーサポートの対応時間を平均5分以内に短縮する」
活用方法
- 会社・チーム・個人ごとにOKRを設定
- 四半期ごとに進捗をチェックし、調整
- 透明性を高めるため、全社でOKRを共有
OKRは、組織全体の目標を統一し、従業員の主体性やチームワークを促進します。
3.タックマンモデル(Tuckman’s Model):チームの成長段階を理解する
タックマンモデルは、チームの成長過程を5つの段階に分け、適切なマネジメントを行うためのフレームワークです。
チームの発展段階
1.形成期(Forming):メンバーが集まり、役割が不明確な状態
2.混乱期(Storming):意見の対立が発生し、摩擦が生じる
3.統一期(Norming):チーム内のルールや協力体制が整う
4.機能期(Performing):チームが高いパフォーマンスを発揮する
5.散会期(Adjourning):プロジェクト終了やチーム解散
活用方法
- チームの状態を把握し、適切な支援を行う
- 混乱期には、コミュニケーション促進や対話の場を設ける
- 統一期以降は、メンバーの自律性を尊重しながらサポート
チームの成長段階を理解することで、適切なリーダーシップや支援ができるようになります。
4.アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI):強みを活かした変革
アプリシエイティブ・インクワイアリー(Appreciative Inquiry)は、組織の強みに焦点を当て、ポジティブな変革を促す手法です。
基本プロセス(4Dサイクル)
1.発見(Discover):組織の強みや成功事例を探る
2.夢(Dream):理想的な未来を描く
3.設計(Design):未来を実現するための戦略を立てる
4.運命(Destiny):実践し、変革を定着させる
活用方法
- ワークショップを開催し、ポジティブな事例を共有
- 組織文化改革に応用
- 従業員のモチベーション向上施策に活用
組織の強みに焦点を当てることで、従業員の前向きな行動を引き出し、組織の成長を加速させます。
5.ワールドカフェ:組織内の対話を促進する
ワールドカフェは、対話を通じて新しいアイデアを生み出し、組織の課題解決を図る手法です。
活用方法
- 小グループでテーマについて話し合い、参加者を入れ替えながら意見を深める
- 新しいアイデアの創出や組織文化改革の場として活用
社員の意見を引き出し、共創を促進することで、組織の課題解決に貢献します。
6.7Sフレームワーク:組織のバランスを分析
マッキンゼーの7Sフレームワーク は、組織が効果的に機能するために重要な7つの要素を分析し、組織の整合性を高めるためのフレームワークです。
7つの要素
1.戦略(Strategy)
組織が持つ長期的な方向性や競争優位性を確立するための計画を指します。
例:「市場シェア拡大のための新規事業展開」「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」
2.組織構造(Structure)
企業の組織体系や権限の分配を指します。
例:「ピラミッド型の階層組織」「フラットなチーム制」「プロジェクトベースのマトリクス型」
3.システム(Systems)
業務の進め方や管理の仕組み、評価制度、ITシステムなどの仕組みを指します。
例:「KPIを可視化するためのデータ管理システム」「社内の意思決定の流れ」
4.価値観(Shared Values)
企業が大切にする理念や文化、行動指針を指します。7Sの中心的な要素で、他の6つの要素と強く結びついています。
5.スキル(Skills)
組織内に蓄積された専門知識や従業員の能力を指します。
例:「営業力の強化」「データ分析力の向上」「リーダーシップ育成」
6.スタイル(Style)
経営陣のリーダーシップスタイルや企業の意思決定の特徴を指します。
例:「トップダウン型の意思決定」「ボトムアップ型で現場の意見を尊重」
7.人材(Staff)
企業の成長を支える従業員やマネジメント層の配置、人材育成の方針を指します。
例:「優秀な人材の確保」「キャリア開発のサポート」「ダイバーシティ推進」
活用方法
- 組織の課題を特定し、バランスを取る
- 変革プロジェクトの指針として活用
組織改革や事業戦略の見直しの際に活用されます。
7.コーチング:個人と組織の成長を促す
コーチング は、従業員の潜在能力を引き出し、成長をサポートするための対話型のマネジメント手法です。単なる指導やアドバイスとは異なり、従業員自身が考え、行動を起こすように導くことを目的としています。
活用方法
- 定期的な1on1(ワンオンワン)ミーティングを通じて、従業員の成長をサポート
- マネージャーがコーチングスキルを身につけて部下の成長を促し、組織の生産性向上を目指す
組織開発においては、リーダーやマネージャーがコーチングスキルを活用することで、従業員の主体性を高め、組織全体の生産性向上やエンゲージメント強化につながります。
組織開発においては、これらのフレームワークを適切に活用することで、組織の変革をスムーズに進めることが可能です。
組織開発に成功した企業の事例

組織開発(Organization Development)は、企業が成長し続けるために不可欠な取り組みです。しかし、実際にどのように進めれば成功するのか、具体的な事例を知りたいと考える方も多いでしょう。
今回は、組織開発に成功した企業の事例を3つ紹介し、どのような手法を用いたのか、どのような成果を得たのかを詳しく解説します。
1.Google:心理的安全性を重視したチーム開発
Googleは、創業以来、イノベーションを生み出す企業文化を維持するため、組織開発を継続的に行ってきました。特に、社員のパフォーマンス向上には「チームの環境」が大きく影響することに着目し、プロジェクト「Aristotle(アリストテレス)」を立ち上げました。
取り組み
心理的安全性(Psychological Safety)の確保
- メンバーが自由に意見を言える環境を整備
- 上司が率先して質問やフィードバックを促す文化を築く
明確な目標設定(OKRの活用)
会社・チーム・個人レベルで目標を設定し、一貫性のあるマネジメントを実施
データを活用した組織開発
定期的なエンゲージメント調査を実施し、組織の課題を数値化
成果
チームの生産性向上
心理的安全性の高いチームほど、創造性が高まり、業績向上という結果につながった
エンゲージメントの向上
従業員のモチベーションが上がり、離職率の低下を実現
ポイント
- 組織開発の成功には、心理的安全性が不可欠
- データを活用し、継続的な改善を行うことが重要
2.日本航空(JAL):企業文化改革による再生
JALは2010年に経営破綻を経験しましたが、その後の組織開発によって驚異的な復活を遂げました。最大の課題は、過去の縦割り組織によるコミュニケーション不足と、硬直化した企業文化でした。
取り組み
経営理念の再構築
- 社員の意識改革を促すため、「JALフィロソフィ」を策定
➡ 「JALフィロソフィ」とは、日本航空(JAL)が経営破綻を乗り越えるために策定した企業理念や価値観の指針です。稲盛和夫氏の経営哲学を基に、「社員一人ひとりが何のために働くのか」「組織として大切にすべき価値観」を明確にし、経営層から現場のスタッフまで浸透させることで、企業文化の改革と再生を実現しました。
- 全社員が共通の価値観を持てるよう、教育プログラムを導入
トップダウンからボトムアップ型組織への転換
- 現場の声を経営に反映する仕組みを構築
- 社員が主体的に問題を解決できる風土をつくる
リーダーシップ開発
- マネージャー向けのコーチング研修を実施
- 階層ごとのリーダーシップ研修を強化
成果
- 社員の意識改革が進み、企業文化が刷新
- 経営破綻後わずか3年で再上場を果たす
- CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)の向上
ポイント
- 企業理念の浸透が、組織文化改革のカギ
- リーダーの育成を重視することで、変革が加速する
3.Netflix:柔軟な組織設計による新しい価値の創出
Netflixは、DVDレンタルから動画配信サービスへと大胆にビジネスモデルを転換し、成長を続ける企業です。その変革を支えたのが、「自由と責任の文化」に基づく組織開発でした。
取り組み
従業員に権限を委譲
- 上司の承認なしで意思決定できる環境を整備
- 「自由と責任のバランス」を重視したマネジメント
透明性の高いフィードバック文化
- 360度フィードバックを導入し、誰でも意見を言いやすい環境を構築
- 直接的なフィードバックを推奨し、成長を促進
評価制度の見直し
- 年次評価ではなく、継続的なフィードバックを実施
- 成果主義を徹底し、高いパフォーマンスを発揮できる環境を整える
成果
- 社員の創造性が高まり、新しいアイデアや仕組みが次々と生まれる
- 競争力のある動画コンテンツを次々と生み出し、世界的な成功を収める
- 離職率の低下とエンゲージメント向上
ポイント
- 「自由」と「責任」のバランスを取ることが、組織の活性化につながる
- 継続的なフィードバックが、従業員の成長を促進する
成功企業に共通する組織開発のポイント
3社の事例を比較すると、組織開発を成功させるための共通点が見えてきます。
1.企業文化の変革
JALの「JALフィロソフィ」、Netflixの「自由と責任の文化」など、組織の価値観を明確にし、浸透させることが重要
2.エンゲージメント向上
Googleの心理的安全性、Netflixのフィードバック文化など、社員が安心して働ける環境を作ることが成果につながる
3.データを活用した組織改革
Googleのエンゲージメント調査のように、組織の状態を数値化し、継続的に改善する仕組みを作る
4.リーダーシップの強化
JALのコーチング研修、Netflixの自律型組織など、リーダーシップの在り方が変革の成功を左右する
組織開発の成功には、組織の課題に合わせた適切な手法を選び、長期的な視点で取り組むことが不可欠です。Google、JAL、Netflixの事例から学べることは、組織文化の変革、従業員のエンゲージメント向上、データを活用した組織改革、リーダーシップの強化 など、多岐にわたります。
経営者や人事担当者は、これらの成功事例を参考にし、自社の組織開発にどのように活かせるかを考えながら、戦略的に取り組んでいくことが求められます。
組織開発の本質と未来への展望
本コラムを通じて、組織開発(Organization Development) の基本概念から、その重要性、メリット・デメリット、具体的な手法や成功事例に至るまでを詳しく解説してきました。
企業経営において、組織の成長や変革は避けて通れないテーマです。市場環境の変化や働き方の多様化に対応し、持続的に成果を上げるためには、単なる制度や仕組みの導入にとどまらず、「人」や「組織文化」といった目に見えない要素にまで働きかけること が大切です。
組織開発の成功には、一度きりの取り組みではなく、継続的な改善と適応が求められます。GoogleやNetflix、日本航空(JAL)といった成功事例からもわかるように、組織の方向性を明確にし、従業員の主体性を引き出し、実践と検証を繰り返すことが欠かせません。
また、経営者や人事担当者が率先して組織開発を推進することが、変革の原動力 となります。組織の課題を見極め、適切なフレームワークを活用しながら、社員一人ひとりが自律的に成長できる環境を整えることが、企業の持続的な競争力強化につながるでしょう。
最後に、組織開発は「正解のない取り組み」だからこそ、試行錯誤を重ねながら自社に最適な形を見つけていくことが重要です。
監修者

- 株式会社秀實社 代表取締役
- 2010年、株式会社秀實社を設立。創業時より組織人事コンサルティング事業を手掛け、クライアントの中には、コンサルティング支援を始めて3年後に米国のナスダック市場へ上場を果たした企業もある。2012年「未来の百年企業」を発足し、経済情報誌「未来企業通信」を監修。2013年「次代の日本を担う人財」の育成を目的として、次代人財養成塾One-Willを開講し、産経新聞社と共に3500名の塾生を指導する。現在は、全国の中堅、中小企業の経営課題の解決に従事しているが、課題要因は戦略人事の機能を持ち合わせていないことと判断し、人事部の機能を担うコンサルティングサービスの提供を強化している。「仕事の教科書(KADOKAWA)」他5冊を出版。コンサルティング支援先企業の内18社が、株式公開を果たす。
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